調査コラム

エネルギー業界で再注目の化学物質アンモニアを追う

2021年7月21日掲載

アンモニアを何に使うの?

主に化学肥料の原料として使われてきた「アンモニア」は、20世紀初頭に工業的に合成する技術が発明されたことにより、化学肥料が誕生、人類の食糧問題を解決したと言われています。現在でも全世界の生産量の約8割は肥料用として生産されています。

そのアンモニアがここ数年、エネルギー業界で脚光を浴びています。

「水素」「アンモニア」への期待の高まり

2020年10月「温室効果ガス2050年実質ゼロ」宣言で加速

ここ数年で急速に「脱炭素社会」に向けた動きが世界的規模で加速するなか、クリーンな化学エネルギーとして、まず「水素」が注目されました。

さらにその次の段階として、水素エネルギーの実用化課題である安全な輸送・貯蔵の解決を探るなかで、アンモニアが注目されるようになりました。

そして2020年10月には、政府より「温室効果ガス2050年実質ゼロ」宣言が発せられました。この流れは今後も続くものと思われます。

物質名・素材名を含む新聞記事を検索する方法

G-Searchデータベースサービスでは、以下のように複数ワードのAND検索で新聞記事数を調べることができます。

上記の調査は「水素 AND エネルギー」「アンモニア AND エネルギー」で検索しました。

2011年~2013年の福島原発事故の影響

当時の注目のされ方

水素もアンモニアも2011年~2013年に一度記事が増えています。これは福島の原発事故によりクリーンエネルギーが注目されたためで、アンモニアを使った発電技術(バイナリー発電)の導入、実験記事も増えました。

検索式「再生可能エネルギー OR 自然エネルギー OR 再生エネ」で検索すると、2011年と2012年に記事数が増えていることがわかります。

2012年 新聞記事見出しの一例/アンモニアが関係するもの

  • 地熱発電 斜め掘り作戦 資源量世界3位 8割が国立公園下に(2012.03.12 読売新聞)
  • 日本化成、アンモニア系製品を値上げ、6月1日以降納入分から(2012.05.25 化学工業日報)
  • 温泉発電、頓挫の可能性 国規制など問題噴出=静岡(2012.06.06  読売新聞)
  • エネ担体で期待集まるアンモニア(社説)(2012.07.05  化学工業日報)

2020年「アンモニア」のエネルギー関連記事は年間256本

脱酸素に向けた研究・開発が本格化

化学工業日報、電気新聞の記事数が多く、日刊工業新聞がその後に続いています。

記事のタイトルを見ていくと、新しい合成技術の研究・開発が非常に盛り上がりを見せているほか、直接アンモニアを燃料として使う技術も活発化していることがわかります。2012年頃よりも、内容がかなり具体的になっています。

2020年 アンモニア関連の注目記事をデータベースからご紹介します。

  • 【特集 脱炭素 待ったなし】--PART3 前進する再エネ--脱炭素の切り札となりうるか 水素とアンモニアに脚光(2020.08.01 週刊東洋経済)
  • 名古屋大/高いアンモニア生成活性/ルテニウム系触媒を開発(2020.01.29 鉄鋼新聞)
  • 早大、新規アンモニア合成法開発、200度C以下で反応進行(2020.03.26 化学工業日報)
  • 太陽光照射で常温・常圧下のアンモニア生成可能に/阪大が新技術(2020.04.08 電気新聞)
  • 東工大が新触媒、50度Cで水素と窒素からアンモニア、自然エネで合成へ(2020.04.27  化学工業日報)
  • Hot News~アンモニア合成に新触媒相次ぐ 阪大は海水を生成の原料に(2020.07.01 日経エレクトロニクス)
  • 船舶燃料へのアンモニア利用推進へ(社説)(2020.09.09 化学工業日報)
  • アンモニア混焼を商用へ IHIなど事業化調査(2020.03.30  日刊工業新聞)

物質名で検索した新聞記事からエネルギー開発の動向を追う

今回は次世代エネルギー開発にむけて注目を集めている「アンモニア」について追いかけました。

カーボンニュートラル推進や環境への取り組みは今後も目が離せないテーマですが、動向調査を行うときには一段掘り下げてキーワード検索をすることで、より具体的な実情や特定の研究機関・企業・大学の状況を知ることができます。

G-Searchデータベースサービスの新聞・雑誌記事横断検索なら、業界専門誌の過去情報までさかのぼって検索できます。

一般的なウェブ検索では見つけられない技術開発の動向調査にお役立てください。

執筆:G-Search編集部

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